日本爬虫両棲類学会第42回大会;発表要旨


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トウホクサンショウウオの同一個体群における冬期及び春期繁殖についてII

太田宏(東北大・院・生命科学)

仙台市近郊にある湧水池で1999年12月からトウホクサンショウウオの繁殖活動を観察をしてきたが、今回4シーズン分のデーターの中から、複数年に渡って再捕獲された個体に注目し、特にオスの産卵池への出現パターンについて考察してみた。調査池は標高150mにあって、湧水は通年、水温が12〜13℃で枯れることは無い。毎年繁殖期の夜間に、繁殖池に現れた個体を捕獲し、体長、全長、体重を測定した後に、標識をして放逐し、再捕獲状況を記録した。標識は指切り法に加えてTrovanpassive trans ponder system のマイクロチップを腹腔内に注入した。

繁殖活動はどの年も12月から4月まで見られ、1月と3月後半にそれぞれ活動のピークが見られた。12月や1月に現れたオスの中には3月のピークまで見られる個体が見られた。3月になってから出現するオスには短期間、ほぼ毎日出現するという集中的な出現パターンを示すものが見られた。オスの初出現時期と体サイズの間には有為な相関は見られなかった。また、年を追って、同一個体の出現パターンを比較すると、早い時期に出現する個体、遅い時期に出現する個体といった個体による“癖”があることが分かってきた。例数は少ないがメスでも同様の傾向が見られる。いつでも産卵可能なこの池において、例えば1月のある時期にに繁殖期が収斂しない理由として、長期間繁殖活動ができるというオスの生理的能力と、この個体による癖が意味を持っているのではないかと考えている。


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